歯周病は治した方がよい

● 糖尿病のコントロールは難しい

 糖尿病が万病の元で、医療費増大の大きなリスクということは、ご存じと思います。
 ただ、糖尿病の何が悪いかは意外と知られていません。慢性的に炎症が起きている(慢性炎症)ため、それが組織や臓器をジワジワ痛めつけるのです。そして、炎症の原因が体内で生じているため、上手にコントロールすることは、かなり困難です。

● 糖尿病と歯周病は相互に悪循環

 実は、歯周病も歯茎で慢性炎症が起きています。そして、共に慢性炎症である糖尿病と歯周病は相互に悪循環することが知られています。

● 同じ慢性炎症でも歯周病は治せる

 歯周病菌の慢性的感染によって慢性炎症が起きている歯周病は、放置して治ることは絶対にありませんが、糖尿病と違って原因菌を取り除けば治せます。

● 糖尿病学会が、ガイドラインで歯周病治療を最上位推奨

 このため、日本糖尿病学会の診療ガイドラインで、2019 年10月から歯周病の治療が最上位推奨されるようになりました
 歯科医で歯周病を治療すると、糖尿病の薬を飲むのと同等の血糖値低下が起こると報告されています。

被保険者に歯周病治療を勧めようと思ったでしょうか。でも早まらないでください。 <次へ>